2020鹿児島市長選 数字で点検-森市政16年

 12月に任期満了となる鹿児島市の森博幸市長(70)が引退する。2004年から始まった森市政の4期16年で、県都の姿はどのように変わったのか。トピックごとに数字から読み解く。

(9)19年度家庭ごみ量 512グラム

減少傾向 コロナがブレーキ
(2020-10-31)
 21万2000トン。2019年度に鹿児島市内で出されたごみの量で、7割近くは家庭から出た。家庭から出たごみの大半を占めるのが、燃やせるごみ、燃やせないごみ、粗大ごみを合わせた「家庭ごみ」だ。
 市民1人が1日に出す家庭ごみの量は、19年度で512グラム。森博幸市長が就任した04年度から15年度までは570~593グラムで大きな変動はなかった。変化が現れたのは16年度。この年、市の清掃事業審議会は、「減量化の推進が見られなければ有料化もやむなし」という内容の答申を森市長に提出した。
 背景には鹿児島市が全国でも有数の「ごみを多く出す都市」だったことがある。14年度は570.8グラム。47中核市の中で40位という不名誉な数字を残してしまった。
 答申を受け、市は100グラムごみダイエット計画をスタートさせる。15年度実績の570グラムから470グラムに減らすのが目標だ。
 約1200回の分別説明会、収集日が分かるアプリの配信など啓発に力を入れた結果、16年度555グラム、17年度534グラム、18年度511グラムと数字に表れてきた。
 「達成は十分可能と考える」。18年11月、ごみダイエット計画の目標達成期限を21年3月末と発表した森市長の表情は、自信であふれていた。
 だが今春に入り、新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で家庭ごみが増加。8月には21年3月末までの達成は困難と判断し、期限を2年延長した。
 ごみダイエット計画は、有料化した場合に見込まれる減量と同等の効果があるという。南光二資源政策課長は「ごみの量が減れば、処理に掛かっていた経費を他の施策に活用できる。まずは資源ごみの分別と、生ごみの水切りをしてほしい」と呼び掛ける。