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J3鹿児島ユナイテッド 後半戦浮上のカギは? 「柔軟な攻撃的サッカーも必要」 解説久永さんに聞く
(2021-08-27)

「物足りない」。鹿児島Uの前半戦を振り返る久永辰徳さん

対談した久永辰徳さん(左)と社員ユーチューバー「ひろにぃ」=南日本新聞会館
-前半戦の評価は。
「50点。昇格圏に近い4位内で折り返す予想だったので物足りない」
■変化の必要性
-得点が伸び悩んだ。
「特定の選手が点を取れないのであれば、複数の選手で取らないと勝てない。開幕前は(FWの)萱沼や薗田、新加入の選手が覚醒すれば点が生まれるとにらんでいたのだが」
「アーサー・パパス監督の時は米澤(FW)がポイントだった。ポゼッションに、彼を生かす戦略を上積みすれば、勝つ確率は上がったのかもしれない」
-攻撃的サッカーを続けるべきか。
「勝ち点を取るには不安定で、現有戦力を考えると難しい。少し戦い方を変えた方がよいのではないか」
「攻撃的と言うが、ボールをキープしているだけにしか見えない。強引な仕掛けや、守備から素早くカウンターを仕掛ける『柔軟な攻撃的サッカー』も必要ではないか。1トップがだめなら、2トップといった発想もほしい」
■クロス対応に弱さ
-失点の多かったクロス対応について。
「クロス対応にめっぽう弱い印象。(クロスを上げる選手への)プレッシャーのスピードが遅く、(ゴール前の)マークの付き方も徹底されていない」
-ホームで逆転負けが2試合。リードして迎える試合後半の戦い方をどう見たか。
「攻撃で押し切るのか、守り切るのか、方向性が共有できていない。J1やJ2の攻撃で押し切るチームは、変わらず攻撃を仕掛けて追加点を取れる。でも鹿児島Uはそこまでの攻撃力がない。ならば何をするべきか、が欠けている」
-試合終盤の失点が多かった。
「戦術理解やフィジカルが課題。90分間走りきれる選手がピッチに立っているか、90分間強度保てるのかを考えないといけない」
■キーマンは五領
-後半戦のキーマンは。
「五領(MF)だ。監督が目指すサッカーの理解度が高い。チームに自信をつけるには内容より勝利が必要。結果が出れば若い選手もこれでいいんだと理解する。五領はそれをつなぎ合わせられる。攻撃のアクセントになり、セットプレーの精度も高い」
-7月に上野展裕監督が就任した。
「山口をJ2昇格に導いた実績がある。スタイルにはめこむのではなく、選手を生かすサッカーで勝利を呼び込むチームにまとめてほしい」
「日本人監督だからコミュニケーションが取りやすく、立て直しには良かったのでは。その点で昇格の可能性は上がっている。ただ、結果に結びつけるには時間が必要だ」
-後半戦への期待を。
「鹿児島Uはスタンドに応援のサポーターがたくさん入るのが強み。だからこそホームで勝たないといけない。今の順位は歯がゆい。県民が自慢できるようなクラブになってほしい」
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