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いい攻撃は、いい守備から…鹿児島ユナイテッドにJ3の自覚 5戦負けなし、開幕ダッシュ成功
(2022-04-15)
藤枝の選手と競り合う鹿児島U・有田(中央)=10日、白波スタジアム
今季も、目標に掲げるのは「攻撃的サッカー」。チームの半数近い12人を新加入選手が占め、先発メンバー7人は新戦力が名を連ねる。有田やロメロら個人技のうまい前線の選手が加入したこともあり、5試合すべてで得点を挙げた。
今季から指揮を執る大嶽直人監督は「いい攻撃は、いい守備から」と常々口にする。練習では、現役時代DFだった大嶽監督が、守備陣に付きっきりで指導する場面も。GK白坂は「代表経験者の監督から教えてもらい、プラスになる」。チームは前線からの守備を徹底。センターバック広瀬、岡本を中心に守備の安定感が、リズムのよい攻撃を生んでいる。
昨季J2昇格を果たしたのは、失点数が少ない2チームだった。1試合平均失点は、熊本が0.71点、岩手は1.0点。上位に食い込むためには、守備の強化は欠かせない。
サッカー解説者の久永辰徳さんは、好調の理由を「J3で勝つための戦い方に切り替えられた」「J3の自覚を持ちつつ、チャレンジャー精神でできている。ここ2、3年の反省が生きてきた」と分析する。
在籍2年目の白坂は「チームのために走ろう、声を掛けようという選手が多い」と印象を話す。試合では、広瀬主将が選手を集めて声を掛ける。「選手と同じ目線でやりたい」と大嶽監督。練習では、選手とスタッフが並んで走る姿も見られ、雰囲気のよさが随所に見える。
累積警告による出場停止や、けがも考慮しなければならず、控えメンバーの活躍は欠かせない。大嶽監督は、「控え組が出場する練習試合でも目指すサッカーができた。J2でも戦える」と自信をのぞかせる。
これまでJ3に降格し、その後J2に返り咲いたのは5クラブ。いずれも3年以内に昇格している。そういう意味でも、J3降格から3年目の鹿児島Uにとって勝負のシーズンとなる。好調な滑り出しを無駄にはしたくない。
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