「鹿児島マラソン2023」は3月5日午前8時半、鹿児島市のドルフィンポート跡地前 をスタートする。新型コロナウイルス禍による中止が続き、4年ぶり5回目の大会となる。 フル、ファンラン合わせて約9000人が絶景の鹿児島路を駆け抜ける。待ちわびた春はもうすぐ− 。
5回目となる大会は、鹿児島市のドルフィンポート跡地前をスタートし、市街地を抜けて国道10号を北上、姶良市で折り返すコースに変更はない。コースの特徴をまとめた。

コース・気候解説
全コースの高低差は20メートル以内となっており、比較的走りやすいコースとなっているが、細かな起伏や路面の傾斜に注意が必要だ。
スタートから10キロすぎまでは市街地を走る。高低差はほとんどないが、ファンランのランナーを含め約9千人超が順次スタートするため、混雑する箇所がありそうだ。
12キロすぎの仙巌園の辺りからコースの7割以上を占める海沿いに入る。20キロ前後、30キロ前後は路面に細かい起伏や傾斜があり、出走経験のあるランナーによると、足の疲労もたまりやすい。 姶良市重富の折り返し地点の前後は緩やかな坂道。疲れもたまってくる中で、コース最大の高低差があり“難所”のひとつといえる。 海沿いのコースは40キロ手前まで続き、景色も短調となり、応援も少なくなるため、どうモチベーションを維持し、折れそうになる気持ちを立て直すかが鍵となりそう。
気象状況によっては海沿いの国道10号線は風が強くなることも予想される。気温が上がれば給水のタイミングが大切となる。逆に雨が降り続いて低体温症の人が続出した大会もあり、天気予報のチェックも欠かせない。

走り込み避けて/炭水化物多めに オフィシャルアドバイザー・千葉真子さん
フルマラソン1週間前はコンディションを整える期間。長距離の走り込みは避け、6割ほどの強度でジョギングするのがおすすめです。練習後の入念なストレッチや十分な睡眠のほか、温かいお風呂に入るなどして体に疲れを残さないことが大切。けがの予防やパフォーマンスの向上にもつながります。
フルマラソンの消費カロリーは約2500キロカロリーにまで及ぶといわれています。2~3日前から米やうどんといった炭水化物を多めに取り、当日は消化がよく腹持ちがいいものを。しっかりとエネルギーを蓄えておけるかが完走の鍵になってきます。私はレース当日、餅を食べて出場していました。
過去の大会では、天候によって変化する気温がランナーを苦しめました。当日の1時間ごとの天気予報を確認した上で、寒暖を調節できるウエアの準備やこまめな水分補給など、天候に合わせた対策が求められます。 コースは起伏が少なく平たんな道のりが続くので、細かな上り下りでスピードの変化をつけると、リズムに乗って走ることができます。
桜島や海など雄大な自然はもちろん、沿道からの温かい声援もすてきな鹿児島マラソン。前半は景色や応援を楽しみながら、余裕を持って走れるといい記録につながると思います。

オフィシャルアドバイザー・千葉真子さん・経歴
ちば・まさこ 京都府宇治市出身。1996年アトランタ五輪の1万メートルで5位、2003年パリ世界陸上のマラソンで銅メダル。現在はスポーツコメンテーターとして活躍。
■主催■
鹿児島マラソン実行委員会(鹿児島市、鹿児島陸上競技協会、鹿児島市スポーツ振興協会、鹿児島商工会議所、鹿児島経済同友会、鹿児島観光コンベンション協会、鹿児島県観光連盟、鹿児島市ホテル旅館組合、日本旅行業協会九州支部鹿児島県地区委員会、鹿児島市スポーツ推進委員協議会)、鹿児島陸上競技協会
■共催■
鹿児島銀行、南日本新聞社、南日本放送、鹿児島テレビ