2022/10/07 18:56

日本代表を3人有する知的障害者サッカー 鹿児島ユナイテッドFC・フューチャーズ所属

試合前、入念にキックを確かめる原田康汰=8月28日、鹿児島市の県立鴨池緑地公園競技場
試合前、入念にキックを確かめる原田康汰=8月28日、鹿児島市の県立鴨池緑地公園競技場
 全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」は、来年10月28日から30日まで県内7市で開かれる。さまざまな障害を乗り越えて挑み続ける選手たちが熱い戦いを繰り広げる。



 知的障害者者サッカーの鹿児島代表チームは、鹿児島ユナイテッドFC・フューチャーズが中核となる。その中心となるのが日本代表にも選ばれているFWとMFをこなす原良田龍彦(22)=鹿児島市、MF福原碧人(20)=霧島市、GKの原田康汰(24)=鹿児島市=の3人だ。

 3人は6月にフランスであった国際親善試合に出場した。「もう一つのワールドカップ」といわれる4年に一度の世界選手権の予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大やウクライナ情勢で中止となり、親善試合に変更となった。

 フューチャーズのキャプテンを務め、4年前のスウェーデン大会にも出場した原良田は「外国の選手は速さ、強さが違うと改めて感じた。今回、シュートを決めきれなかったのが悔しい」と振り返る。

 福原も「フランスの選手との差は大きかった。しっかり体力をつけて、走り負けないようにしたい」と話す。1人でゴールを守った原田は「4年後の世界大会にも出場して活躍できるよう、技術を身に付けていく」と力を込める。

 鹿児島チームは今年、九州ブロック大会で優勝して、初の全国大会に挑む。栃木大会で結果を残して、来年の地元開催へ弾みをつけたいと願う。

 堅実なプレーで相手の攻撃の芽を摘み、攻撃の起点となる福原は「鹿児島大会では優勝を目指す。粘り強い守備ができるよう練習していく」と来年を見据える。

 身長187センチと高さを誇り、守りから攻撃の展開を組み立てる守護神・原田は「地元である全国大会でプレーできるのは感謝しかない。優勝へ向け一日一日、一試合一試合を大切に自分を磨いていきたい」。

 左足の強烈なシュートと正確なパスが武器の原良田は「お世話になった方々に恩返しができるよう、全力でプレーする姿を見せたい」と意気込む。

 フューチャーズと鹿児島チームの泉谷光紀監督(39)は「日の丸を背負う3選手は、プレーの中心となる。気付いたことを伝え合う、進んで荷物を運ぶ、仕事も一生懸命するなど、ピッチ外でもほかの選手を引っ張っていってほしい」と話した。
(2022年10月7日付)

相手の寄せに対応しボールキープする福原碧人選手(写真左)と、試合前のアップで汗を流す原良田龍彦選手=いずれも鹿児島市の県立鴨池緑地公園競技場
相手の寄せに対応しボールキープする福原碧人選手(写真左)と、試合前のアップで汗を流す原良田龍彦選手=いずれも鹿児島市の県立鴨池緑地公園競技場