開店初日、買い物客でにぎわう店内=曽於市大隅の「北マーケット」
コンビニが閉店してから中心部に商店が一軒もなかった鹿児島県曽於市大隅の坂元地区に、地域の女性らが運営する「北マーケット」がオープンした。商店ができるのは十数年ぶりで、地元農産物などを販売する。開店を待ち望んでいた住民らが、買い物を楽しんでいる。
坂元郵便局がある県道志布志福山線の交差点沿いに立地。生鮮野菜や花類、工芸品、日用雑貨、弁当を販売し、茶などを扱う多目的自動販売機も設置する。
同地区では17年ほど前にコンビニが閉店。住民は近隣に買い出しに行かざるを得ず、買い物支援が課題となっていた。霧島市の鎌田建設がコンビニ跡地や建物を買い取り、無償で曽於市に活用を依頼。市の委託を受けた大隅北校区コミュニティ協議会が、店舗の管理運営を担う女性だけのマーケット協議会を設置した。
開店式が10月25日あり、マーケット協議会会長の桑原明美さん(59)は「地域のお母さん10人と準備を進めてきた。素人同然で品ぞろえなど不足部分はあるが、充実を図り地域住民に立ち寄ってもらえる店づくりをしたい」とあいさつ。大隅弥五郎太鼓の演奏などで門出を祝った。
友人と訪れた加塩久子さん(75)=大隅町中之内=は「新鮮な野菜や花が安く買えるのがいい」。実家の坂元にある保育園に勤める山神寿江さん(37)=霧島市=は「買い物をきっかけに、高齢者など住民が寄り合う場所ができてよかった」と話した。
営業は午前9時~午後4時。水曜休。