来年はうま年。吉報を待ってるよ――トカラウマのハルキ、ルーツの喜界島へ平川動物公園から“婿入り”

2025/11/12 17:00
飼育員の鈴木大河さんにじゃれつくトカラウマの雄ハルキ=7日、鹿児島市の平川動物公園
飼育員の鈴木大河さんにじゃれつくトカラウマの雄ハルキ=7日、鹿児島市の平川動物公園
 鹿児島市の平川動物公園は7日、県指定天然記念物のトカラウマの雄ハルキ(1歳)を繁殖のため喜界島の観光牧場へ送り出した。トカラウマは日本在来馬の一つで、明治期に十島村に導入された「喜界馬」が始まりとされ、ルーツの島への“婿入り”となる。

 ハルキは昨年12月、雌コハル(1歳)と共に鹿児島大学から来園した。2頭は血縁が近く、交配を避けるため来園時からハルキは喜界島行きが決まっていた。移動先の牧場には8歳の雌が1頭いる。

 トカラウマは西洋種の影響を受けておらず、体高110~120センチと小型で温和な性格とされる。同園によると、県内に100頭未満おり、十島村中之島や指宿市の開聞山麓自然公園などで分散飼育されている。

 ハルキは牧草をよく食べ、現在の体高は約110センチ、来園時48キロほどだった体重も推定170キロまでに成長した。園での飼育はコハルのみになる。

 飼育員の鈴木大河さん(34)は「寂しい思いもあるが、けがも病気もなく大きくなってくれてほっとした。新天地でペアとなる雌と馬が合えば」と見送った。

 来年のうま年に繁殖成功のうれしい知らせが届くことを楽しみにしている。

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