男性が転落した市道脇の水路。時間帯によっては高温の温泉水が流れる=8月16日、指宿市大牟礼3丁目
鹿児島県指宿市で、高温の温泉排水が流れる市道沿いの水路に転落した男性が全身にやけどを負って死亡した事故を巡り、市は17日、市内全域の水路を点検したところ、安全対策が必要な地点が7カ所あったと明らかにした。転落防止柵の設置費用などを盛り込んだ補正予算案を、開会中の市議会9月定例会に追加上程する方針。
同日の市議会一般質問での答弁。市によると、事故直後の6月下旬から約2カ月間、ふたで覆われていない水路30カ所以上に職員が出向き、水路の形状や水温、柵の有無などを調べた。7カ所はいずれも指宿地域で、45度以上の温泉排水が流れており、転落の危険性も拭えないと判断した。
危険箇所には転落防止柵やネットのほか、約20メートル間隔で注意喚起の看板を設置する計画。観光客にも配慮し、外国語やピクトグラムでの表記も検討する。市民向けには、調査結果がまとまり次第、広報誌などでも注意を呼びかける。
市は、時期や時間帯によって水温などは変わる可能性があるとして「今後も定期的な水温チェックや消防分団と連携した状況確認を続け、必要な場合は追加で対策を講じたい」としている。