過労死等防止啓発月間に合わせたシンポジウムで講演する川浪晴美さん=11日、鹿児島市のTKPガーデンシティ鹿児島中央
11月の過労死等防止啓発月間に合わせたシンポジウムが11日、鹿児島市であった。入社3年目の2017年に過労自殺した川浪一樹さん=当時(25)=の母・晴美さん(71)が登壇し、「全ての職場から過労死をなくしたい。社会に初めて出る若者が安心して働ける風土を作って」と訴えた。
県内の経営者や労務担当者ら78人を前に、晴美さんは遺書の一部を読み上げ「息子の苦しみを代わってあげられなかったつらさ、苦しさで涙が止まらなかった」と悔しさをにじませた。過労死は日本の社会問題として「経営者は長時間労働が命に関わるという意識を持って」と強調した。
一樹さんは2014年4月に食品卸の会社に入社後、165時間を超える残業があった12月に精神障害を発症。その後も長時間労働が続き、17年3月に自殺、19年に労災認定を受けた。