役場の上司に勧められ始めた写真…写友会で腕磨き、今や出水で指折りの野鳥カメラマン 90歳で初個展「私が撮ったツルと珍鳥」

2025/11/13 06:27
出水のツルと珍鳥を紹介する井手正弘さん=出水市文化町
出水のツルと珍鳥を紹介する井手正弘さん=出水市文化町
 鹿児島県出水市美原町の元市職員・井手正弘さん(90)の初めての個展「私が撮った出水のツルと珍鳥」が、ツル博物館クレインパークいずみで開かれている。出水平野で撮りためた鳥たちの写真33点を展示する。30日まで、無料。

 井手さんは1952(昭和27)年、旧米ノ津町役場に入った。53年の町制30年記念誌を作る手伝いで、上司からカメラを勉強するよう言われたのを機に写真を始めた。合併後の旧出水市で広報関係の職場に移った57年から、本格的にツルを撮影するようになった。

 写真マニアで結成された出水写友会で腕を磨き、現在は全日本写真連盟や出水地区の住民でつくる写団まなづるの会員として活躍。鳥のアマチュアカメラマンとして出水では指折りの井手さんの作品を、クレインパークが広報用に使用している縁で、90歳で個展が実現した。

 世界的に希少で羽を広げるソデグロヅル、全身灰色で額の部分に赤い地肌が見えるカナダヅル、レンゲソウが咲く田んぼで羽を休めるアネハヅルのカットが並ぶ。水辺や山野の鳥コーナーでは、ムラサキサギ、ブロンズトキ、サカツラガン、クロノビタキの愛らしい写真も飾る。

 「動きのあるポーズを狙っている。出水に珍しい鳥が来るのを知ってほしい」と井手さん。「鳥が住みやすい環境は、人間にとっても住みやすい環境だと思う。その自然を、人間は大事にしないといけない」と話している。

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