〈参考資料〉鹿児島県警察本部
昨年8月以降、鹿児島県警が1年以上取り組んでいる不祥事再発防止策の実効性が揺らぐ事態となっている。対策の見直しを公表した14日、巡査長による県不安防止条例違反容疑が新たに判明。先月にも別の巡査部長による同容疑が明らかになったばかりだった。県警は両事案を今回の見直しに反映させたとするが、今なお全職員に当事者意識が浸透していない難しさが露呈した。
県警は今回見直した対策に、女性や人権に重点を置いた講話を実施すると、初めて明文化した。しかし、性犯罪事案は以前から相次いでおり、市民や県議会から「性犯罪に特化した施策を」と再三要望が上がっていただけに、後手に回った格好だ。
見直した内容に目新しさは乏しく、「職責自覚と高い職務倫理の養成」など大きな方向性を示した四つの柱を維持したものの、課題となっている職員一人一人へのアプローチの仕方については明示していない。
県警は今回、報道機関に対し、カメラ撮影を禁止する姿勢を崩さなかった。県議会が第三者委員会による真相究明や懲戒処分基準の見直し検討を求めてきた背景を踏まえれば、透明性にも疑問が残った。
「県民の信頼を回復するに至っていない」と、県警も自覚を示した。徹底的に検証し、継続して改善に取り組まない限り、不祥事根絶にはほど遠い。