後半16分、神村の中野(5)がヘディングシュートを決める=白波スタジアム
第104回全国高校サッカー選手権鹿児島県大会は16日、鹿児島市の白波スタジアムで決勝があった。
神村学園が鹿児島城西を3-0で破り、2年ぶり12度目の優勝を手にした。神村は全国大会(12月28日開幕・首都圏各地)に出場する。組み合わせ抽選会は17日にある。
【戦評】攻撃力に勝る神村が終始主導権を握った。FW徳村が前半12分に先制し、29分にはFW倉中が頭で決め2-0で折り返す。後半はセットプレーから3点目を決めた。鹿城西は6本シュートを打ったが阻まれた。
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変幻自在の攻撃で、観客4500人を魅了した。神村は「どこからでも誰でも得点できる」(有村監督)というチーム力を証明するように、ライバル鹿児島城西に快勝。球際の強さと攻守の切り替えの速さが際立った。
準決勝まで35得点を誇るイレブンが、鹿城西ゴールに早くも襲いかかった。前半12分、FW徳村が先制弾で会場を盛り上げると、29分にもスタンドを沸かせる。FW日高がクロスで好機をつくり、FW倉中が「引かずに全員で前に行けた」とこぼれ球を頭でたたき込んだ。
Jリーグ内定者3人を擁しながらも、彼らのプレーが目立たないほど個々の能力が高い。統制された組織力も随所で光った。
「全員が影の立役者になれ」を合言葉に、チームを作ってきたという。こぼれ球への対応のうまさや、ボールを奪ってからの高い連動性でピッチを支配し続けた。セットプレーから3点目を決めたDF中野主将は「それぞれが、お互いのために努力し続けた」と仲間をたたえた。
決勝の1、2点目はサイドからのクロスから、3点目はセットプレーで、3人が1点ずつを奪った。準々決勝からの3試合は、10人で19得点を記録する。
宿敵を倒した全国総体の王者は再び大舞台に立つ。夏、冬2冠の準備は整った。