映画『未来』(2026年5月公開) (C)2026 映画「未来」製作委員会 (C)湊かなえ/双葉社
人気作家・湊かなえの小説を、瀬々敬久監督が映画化した『未来』が2026年5月に全国公開されることが発表された(配給:東京テアトル)。『告白』を皮切りに映画化が相次ぐ湊の小説だが、“集大成”と評される原作の映像化に、本人も「いち鑑賞者として感動し、泣きました」とコメントを寄せている。
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本作は、複雑な家庭環境で育ちながら教師になる夢を叶えた真唯子と、彼女の教え子・章子の二人を軸に展開する物語。ある日、章子の元に届いた一通の手紙――差出人は「20年後のわたし」。返信を書き続けることで孤独を支えてきた章子だが、母の恋人からの暴力、いじめ、そして驚くべき事実に追い詰められていく。絶望の果てに章子が導き出す“禁断の計画”。真唯子は、社会の理不尽さに押しつぶされそうになりながらも、必死に彼女を救おうとする。
主人公の教師・篠宮真唯子役を演じるのは黒島結菜。「何度もつらく苦しい気持ちになりました。とてもハードな撮影の中、子どもたちの熱く切実な思いを感じ、私は何ができるんだろうと日々考えていました」と撮影を振り返る。
「未来のわたし」からの手紙を受け取る少女・佐伯章子役には、『渇水』(2023年)で注目された山崎七海(※崎=たつさき)が抜てき。山崎は「どこかに同じような苦しみを抱えている人がいるのなら、私は章子という役を誰よりも責任をもって演じよう、と心から決意しました」と強い覚悟を示した。
章子の両親、佐伯良太・文乃(あやの)夫妻をを演じるのは、松坂桃李と北川景子。松坂は脚本を読み「誰しもが抱えているかもしれない、“過去”と片づけられない傷や記憶。時に向き合い、寄り添い、許していこうとまた向き合う。そうやって人は一つの希望にたどり着くのかもしれません」と語る。
北川は「守りたいものも上手に守れない、自分のことも大切にできない、もろく壊れそうな文乃を演じることは容易くありませんでした」とコメントしつつ、「不幸な境遇にあって逃げ場のない子どもが、希望が持てるような作品に」と作品への思いを述べた。
このほか、真唯子の恋人・原田勇輝役に坂東龍汰、真唯子や章子の人生に大きな影響を与える樋口良太と森本真珠を細田佳央太、近藤華が演じる。
あわせて解禁された特報映像は、「この世界は狂ってます」というナレーションとともに、不安と緊張が入り混じる空気感を強烈に提示。「未来のわたし」から手紙を受け取った章子を襲う過酷な現実の数々。その送り主に向けて、「どうして私がこんな目に遭うのか、あんたが本物なら知ってるよね?」と手紙の送り主へ叫ぶ姿が印象的で、物語の行く末への期待を高めている。
ティザービジュアルは3種類。「20年後のわたし」からの手紙が燃え焦げた便せん、真唯子の強い眼差し、そして学校の廊下を走る少女の背に「親を殺すと決めました」という衝撃的コピーが添えられ、物語の核心に迫るテーマを象徴している。
章子の悲痛な叫びと「20年後のわたし」からの言葉が刻まれた、燃え焦げた便箋。物語の始まりと、運命の行方を予感させる1枚目。真唯子の射貫くような真っ直ぐな眼差しが印象的なビジュアルの2枚目。そして、3枚目にはごくありふれた中学校の廊下を駆けていく少女の後ろ姿に、「親を殺すと決めました」という衝撃的なコピーが添えられ、物語の核心に迫るテーマを象徴している。