(左から)吉田晴登、寺十吾
演出に寺十吾、客演に俳優の吉田晴登、中尾隆聖ら実力派俳優を迎え、11月27日から12月1日まで、東京・中野のザ・ポケットで演劇集団・月波兎の第4回公演『いつものオーロラが割った夜』が上演される。
【写真】『いつものオーロラが割った夜』舞台けいこの模様
月波兎は、次世代に続いていく演劇の創造を目的として結成され、「温かい笑いの中に、ときに切なく、人の心を強く揺さぶる上質なエンタメ作品」を上演している。今公演は2025年文学座公演『リセット』で好評を博し、劇壇ガルバなどで活躍する気鋭の山崎元晴が脚本を担当した新作描き下ろし作品となる。演出はシス・カンパニーやパルコ劇場などで活躍し、第33回読売演劇大賞2025年上半期ベスト5にも選ばれている寺十吾が手がける。
漫画家である父、板倉杉夫役を『それいけ!アンパンマン』のばいきんまんや、『ドラゴンボールZ』フリーザなどの声優として高い評価を受ける一方、芝居も毎年出演している中尾隆聖。孫のケンイチ(みどりの息子)役を現在放送中のテレビドラマ『ウルトラマンオメガ』のホシミ コウセイ役や、現在劇場公開中の釜山国際映画祭のクロージング作品にも選出された映画『SPIRIT WORLD -スピリットワールド-』のユウキ役として抜てきされ、ネクストブレイク俳優として注目を集める吉田晴登が約1年半ぶりに舞台に立つ。マンションの管理人役を劇団『温泉ドラゴン』主宰の阪本篤、長女みどり役と次女秀子役を「月波兎」のメンバーである石井麗子、奥山美代子が演じる。
■あらすじ
漫画家である父、杉夫(中尾隆聖)は、家族や周りの人、住んでいるマンションの個性的な住民(陰山真寿美・谷田奈生・夏川詩子)の私生活をネタにギャグマンガを描き、身勝手で自由に生きている。
そこに、実家から離れて暮らしていた娘のみどり(石井麗子)が、父の身勝手に腹を立てて、騒動の元をやめてほしいと訪ねてくるが、唯一、孫のケンイチ(吉田晴登)はおじいちゃんに興味を持っている。
杉夫の身勝手に不満を持った人たち、杉夫と一緒に住んでいる娘(妹)の秀子(奥山美代子)、マンションの管理人(阪本篤)や杉夫の編集者(伊藤俊輔)とアシスタント(鈴木稲穂)も加わって、さまざまな騒動が起きるが、最後は家族の形もかわっていく。
■吉田晴登コメント
本作に登場するそれぞれのキャラクターは、自分の正しさを信じながらも、どこかで迷いながら生きています。その迷いの中で小さな希望を見つけていく姿が、この作品の大きな魅力だと思います。そんな彼らの姿を通して、観てくださる方が自分自身や身近な人を少しでも重ねて感じてもらえたらうれしいです。
この作品は、観た人の心の中に“余白”を残す物語だと思います。その余白をどう受け取るかは、お一人お一人の人生観や価値観によって違うと思います。だからこそ観に来てくださるお客様とその日その日の公演を一緒に呼吸しながら、その瞬間にしか生まれない舞台を創っていけたらと思います。気合十分で挑みます。