| お答えします |
小山田 耕作(こやまだ・こうさく)さん
鹿児島県農業開発総合センター大隅支場園芸作物研究室・主任研究員 |
−種が入った本当の果実部−
イチゴの果実の表面には茶色の「つぶつぶ」があり、食べるとプツプツとした歯ざわりがありますが、これは一体何なのでしょう?
あまくてすっぱいイチゴの赤い実、この実は果実だと思われがちですが、実は外側についている種のような「つぶつぶ」こそが本当の果実で、植物学的に「そう果」と呼ばれています。茶色のつぶつぶの硬(かた)い皮をはぐと、その中には小さな種が入っています。私たちが食べているイチゴの赤い部分は、たくさんのそう果のつけ根「花床(かしょう)」が大きくなったもので、この花床はつぶつぶを守るベッドのような役割をしています。
あまずっぱいイチゴの正体はつぶつぶのつけ根が集まったものだったのです。モモやカキなどは種のまわりの「子房(しぼう)」がふくらんだ部分を食べます。これに対し、イチゴは種のまわりの子房ではなく、種のつけ根が大きくふくらんだ部分を食べます。だからイチゴの果実は、「偽果(ぎか)(にせの果実)」と呼ばれます。偽果にはイチゴのほかにリンゴ、ナシ、イチジク、パイナップルなどがあります。
くだものを食べるとき、食べる部分についていろいろ注意して観察してみて、種と果肉のつきかたに違いがあることをたくさん発見してください。
イチゴの果実表面にはこの「つぶつぶ」が200−300個ついています。この「つぶつぶ」をイチゴからはずして園芸用の土の上にばらまいて、土はかぶせず、こまめに水をかけると、うまくいけば1カ月もすると芽が出てきます。5月に「つぶつぶ」をまいて上手に育てると、12月にはイチゴが食べられるかもしれません。普通の育て方とは違いますが、「つぶつぶ」から育てるイチゴにちょうせんしてみても面白いと思います。 |