| お答えします |
秦 浩起(はた・ひろき)さん
鹿児島大学理学部准教授 |
−転がりぶつかってトゲ成長−
えーコンペイトーだって…。困ったぞ! だってコンペイトーは、まだよくわからない不思議(ふしぎ)な物体(ぶったい)なのです。そこで今日は最近(さいきん)わかってきたその秘密(ひみつ)を少しお話ししましょう。
コンペイトーはななめに傾(かたむ)いた1−2メートルもある大きな釜(かま)で作ります。この釜にザラメなど米粒(こめつぶ)くらいの種(たね)をたくさん入れ、煮つめた砂糖液(さとうえき)を少しかけて回しながら熱します。熱で水が蒸発(じょうはつ)し、砂糖液が種について固(かた)まります。これがくり返され種は大きな粒(つぶ)になります。実(じつ)は、雪の結晶(けっしょう)もこのように少しずつ大きくなってできるのです。
でも、これでは小さなトゲしかできません。コンペイトーをよく見てください。どれもトゲが15−25本生(は)えていますね(大きさの違うコンペイトーでも調べてみましょう)。ところが、粒にトゲが生え始めたころには90本ほどもあるそうです。粒が大きくなるとトゲが大きくなり、その数が減っていきます。
最近の実験(じっけん)で、たくさんの粒が釜の中で転(ころ)がりぶつかることが重要だとわかってきました。粘土(ねんど)を転がすと丸くなるのに、コンペイトーはトゲが大きくなるのはどうしてでしょう。
では上の図を見ながら、粒が転がる様子を考えてみましょう。大きなトゲは、小さなトゲより砂糖液をもらいやすいことがわかります。粒がぶつかり合う時も、トゲが砂糖液をあげたりもらったりするようです。まるでトゲのコピーみたいです。こうして小さなトゲは消えていきます。これが秘密の一端(いったん)です。秘密の全部はまだよくわかっていませんが、砂糖が固まるときに熱を出すことも関係していそうです。
このように、昔から食べてきたコンペイトーの形には今も科学者(かがくしゃ)が頭をひねる秘密があります。私たちに身近な形の中には別の秘密が潜(ひそ)んでいるかもしれません。みなさんも不思議な形を探してみませんか。 |