作業船「第八幸洋」(奥)と大破した漁船「新漁丸」の一部(手前)=20日午後2時20分ごろ、馬毛島南方2キロの海域(種子島海上保安署提供)
20日午後0時20分ごろ、鹿児島県西之表市馬毛島から南に約2キロの海域で、自衛隊基地建設工事の作業船「第八幸洋」(1240トン)と作業船などの航行の安全を確保する漁船「新漁丸」(4.6トン)が衝突した。新漁丸の乗組員2人が海に投げ出され、男性1人が頭部や右腕に切り傷を負った。種子島海上保安署が原因を調べている。
九州地方整備局と同署によると、作業船は幸洋建設工業(宮崎県)所有。漁船は種子島漁協所属。作業船は、馬毛島で波消しブロックの据え付け作業を午前中に終え、沖縄南方の台風から避難するため宮崎県の宮崎港へ航行中だった。漁船の作業内容は調査中。
同署によると、漁船は衝突の影響で大破し、船尾が沈没、船首は作業船が回収作業に当たった。作業船には6人乗っていたが、けが人はいない。自衛隊基地建設工事に関する船舶事故のうち、けがを伴う事故は2024年に6件あり、25年は今回で4件目。
事故を受け、鹿児島県は国に対し「工事関係者への安全確保の周知徹底を」と口頭で申し入れ、原因究明と再発防止を求めた。