レニュエルさんが制作するボゼの置物
お土産に小さな仮面神はいかが-。鹿児島県十島村悪石島(人口89人)の悪石島売店で、厄を払う神「ボゼ」のつまみ細工の置物が人気だ。作っているのは、義務教育学校・悪石島学園に通う山海留学生の寮監レニュエル志穂さん(40)。「島を盛り上げる一助になれば」と、2年ほど前から手がける。
置物は高さ約6センチ。布を折りたたみ、仮面の突起や身にまとうビロウの葉を表す。赤いビーズの目が光り、本物が持つ棒「ボゼマラ」もツツジの枝で再現。ボゼが体に付ける赤土をイメージした茶色の布がこだわりだ。発売前にボゼ祭りに長年関わる悪石島盆踊り保存会の有川和則会長(73)に見てもらい、足を付けるなど助言を生かした。
東京都出身のレニュエルさんは大学卒業後に渡ったフランスで同国男性と結婚、つまみ細工は10年前に現地で長女の七五三用かんざしを自作したのをきっかけに始めた。2022年春に家族で悪石島に移住、寮監として山海留学生を預かる傍ら制作を続ける。
税込み1480円で、島の売店でのみ販売する。観光ツアーを迎えた7日の祭りでは、用意した55個の大半が売れた。「毎年島民が作るボゼに同じのものがないように、置物も一つ一つ違う。買った人に楽しんでもらえたら。これからも作り続けたい」と意気込む。