隆起したサンゴ礁から石器も見つかる――喜界島が日本ジオパークに認定「人の活動と自然、地殻変動が1カ所に集まり面白い」 県内4カ所目

2025/10/07 06:30
日本ジオパークに認定された喜界島=6日、喜界町嘉鈍
日本ジオパークに認定された喜界島=6日、喜界町嘉鈍
 日本ジオパーク委員会は6日、東京都で委員会を開き、鹿児島県・喜界島を日本ジオパークに認定した。隆起速度が速く、約10万年前から今に至るまでの気候や地殻変動を読み取れる隆起サンゴ礁段丘を高く評価した。県内の認定は4カ所目。

 喜界島のサンゴ礁段丘は2024年、国際地質科学連合(IUGS)の「世界地質遺産100選」に選ばれた。同委は特色ある景観や生活、動植物の他、サンゴ研究が体験できる塾や地域の産物を食べる給食など次世代の育成も評価。周囲2キロの海を含む約149平方キロメートルが認定された。

 隆起したサンゴ礁から石器が見つかる点も「人の活動と自然、地殻変動が1カ所に集まり面白い」とされた。中田節也委員長=東京大学名誉教授=は「日本の特徴を世界に売り込める地域」と期待を込めた。

 喜界町は23年6月、行政や商工会などでつくる喜界島推進協議会を設立。専門ガイドの養成や観光看板の設置、住民への啓発といった取り組みを進め、今年4月に認定申請していた。

 今回で、全国の認定数は48地域となった。県内には「霧島」「桜島・錦江湾」「三島村・鬼界カルデラ」の三つがある。



 ジオパークとは ジオ(大地)とパーク(公園)を合わせた造語。貴重な地形や地質の保護に加え、地域振興を目的としたエコツーリズムや遊歩道の整備など環境に配慮した活用を認める。県内の「桜島・錦江湾」「霧島」「三島村・鬼界カルデラ」を含め日本版は48地域、世界版は2025年4月現在、日本の10地域を含む50カ国に229地域ある。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >