入所者の女性2人が死亡する事件があった老人ホームを調べる捜査員=15日午前9時36分、埼玉県鶴ケ島市で共同通信社ヘリから
15日午前4時55分ごろ、埼玉県鶴ケ島市若葉2丁目の老人ホーム「若葉ナーシングホーム」で「入所者が血を流して倒れている」と110番があった。県警によると、80~90代とみられる女性2人が頭などから血を流し、意識のない状態で病院に搬送され、いずれも死亡が確認された。県警は同日、元施設職員の20代男の身柄を市内で確保。殺害をほのめかす供述をしているといい、殺人事件の可能性も視野に捜査する。
施設の防犯カメラには発生後、現場から逃走する不審な人物が写っていた。
県警によると、施設は5階建て。職員が、4階と5階で2人をそれぞれ発見した。入所者は60~70人いたが、他にけが人はいない。出入り口は数カ所あり、当時施錠されていたかどうかは不明。施設内で凶器は見つかっていない。
現場は東武東上線の若葉駅から南に約250メートルの住宅街。現場付近では発生後、規制線が張られ、警察官らが頻繁に行き交った。
兄が入所しているという70代女性は「心配で様子を見に行こうと思ったが、近づけなかった」と不安げな様子。