陸自が秋田でクマ対策開始 県と協定締結、駆除せず後方支援

2025/11/05 10:48
 クマ対策の支援活動に関する協定を締結した秋田県の鈴木健太知事(左)と陸自第9師団の松永康則師団長=5日午前、秋田県庁
 クマ対策の支援活動に関する協定を締結した秋田県の鈴木健太知事(左)と陸自第9師団の松永康則師団長=5日午前、秋田県庁
 クマ被害が相次ぐ秋田県で5日、陸上自衛隊がクマ対策の支援活動を始める。箱わなの設置や運搬などの後方支援に当たり、銃器による駆除は行わない。同日午後から鹿角市で活動を開始するのに先立ち、秋田県と陸自は支援活動に関する協定を県庁で締結した。活動期間は30日まで。自衛隊法100条に基づく輸送事業として行う。鹿角市以外での活動は県と調整し、準備が整ったところから順次拡大する。

 締結後、鈴木健太知事は「市町村と綿密に連携しながら、自衛隊の活動をバックアップしていきたい」と話した。陸自第9師団の松永康則師団長は「秋田県のクマ被害は危機的な状況と認識している。少しでも役に立てるように、ニーズを踏まえながら活動していく」と述べた。

 環境省によると、2025年度のクマによる全国の犠牲者は過去最多となり、4日時点で被害が疑われる事例も含め14人が死亡。秋田県は、人的被害が60人に上り、うち4人が死亡したとしている。

 自衛隊は過去には北海道や高知県でのシカ対策で、捕獲した個体の運搬などの業務を支援した例があるという。

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