会計検査院の案内板
会計検査院は5日、官庁や政府出資法人を調べた24年度の決算検査報告を高市早苗首相に提出。検査で税金の無駄遣いを指摘したり、改善を求めたりしたのは全体で319件、総額約540億8千万円に上った。国民生活の安全性確保に重点を置き、インフラの災害対策や政府のサイバーセキュリティーの不備を指摘した。
検査報告では、法令違反や不適切な予算執行と認定した「不当事項」を271件(指摘金額計約86億7千万円)挙げた。改善を求める「意見表示・処置要求」は17件(同計約334億3千万円)だった。
災害対策では、土砂災害の警戒区域にある高速道路で、斜面崩壊や土石流の発生が懸念される「道路区域外危険箇所」が、高速3社で計457カ所あることが判明。上下水道管を橋桁に取り付けた「添架水管橋」は、調査対象の7割で耐震性が確保されていない恐れがあった。
サイバーセキュリティー対策は、一部のシステムでソフトの脆弱性対策が基準を満たさず、不十分だった。海上自衛隊が保有するP1哨戒機の運用が低調など防衛分野への言及も目立った。