足元の光を目印に、力走する選手たち=指宿市営陸上競技場
鹿児島県指宿市営陸上競技場であった指宿ナイター陸上公認記録会で、トラックの回りをライトが一定のペースで点灯する電子ペーサーが設置された。県内初の導入で、選手の記録挑戦をサポートした。ゲストによる実況や、出店が並ぶエリアを設けるといった趣向もあり、訪れた観客を楽しませた。
秋の駅伝シーズン入りを前に、市陸上競技協会などが毎年開き12回目。電子ペーサーは4色の発光ダイオード(LED)のライトが、設定タイムに応じてトラックを回るように点灯する。日本選手権など国内外の主要大会で採用され、地方の公認記録会で使用されるケースは珍しい。今回は地元企業や個人から協賛を募って約80万円でリース導入した。
大会は8月30日にあり、中学生から一般まで県内外から過去2番目に多い640人が参加した。男子共通3000メートルに出場した鹿児島高校2年の中道佳大さんは、自己ベストを22秒も更新し「前に人がいなくても、光と競り合って最後まで気を抜かず走れた」と好記録を喜んだ。
競技中は、ものまねアスリート芸人のM高史さんが実況アナウンスを担当。会場の一角にキッチンカーや出店が並び、選手の家族やファンが食事を楽しみながら観戦した。
市陸上競技協会の山本敏勝会長は「夏休み最後の祭りのように盛り上げることで、競技力向上と地元の活性化の両方につながればいい」と期待した。