左:第一三共ヘルスケア 研究センター 固形グループ 瀬戸山陽奈
右:第一三共ヘルスケア OTC推進部 開発グループ 横溝敦志
ロキソニンやルル、ガスター10などを手掛ける第一三共ヘルスケアが、ふとした疑問にメディカル視点でお答えしながら製品開発にかける想いを語る動画シリーズ「Medi Theater」。
第二話のテーマは、第一三共胃腸薬に含まれ糖質やタンパク質の優れた消化作用をもつ「タカヂアスターゼN1」。その元となる「タカヂアスターゼ」は三共株式会社の初代社長・高峰譲吉が開発しました。
約130年前に生まれた成分を現代の製薬に役立ててきた研究者たち。譲吉が残した成分は、私たちの生活にどんな影響を与えているのでしょうか。
夏目漱石の『吾輩は猫である』には、こんな1節が。『大飯を食った後でタカジヤスターゼを飲む。』
漱石自身もタカヂアスターゼという薬を愛用していたと言います。
横溝:このタカヂアスターゼを開発したのが、第一三共の前身にあたる三共株式会社の初代社長・高峰譲吉です。実はタカヂアスターゼの“タカ”は高峰の“タカ”なんです。
◆
疑問に答えるのは、開発担当の横溝と研究担当の瀬戸山。(お便りは動画上の演出です)
<疑問1>
夏目漱石の『吾輩は猫である』を読んでいて、タカヂアスターゼという薬を知りました。これはどんな薬なのでしょうか。
横溝:タカヂアスターゼは、麹菌から発見された消化酵素です。食べ物に含まれるでんぷんを分解する働きがあるので、胃もたれの薬などに配合されています。実際に実験で働きを見てみましょう。
デンプンを水に溶かしヨウ素液で青く着色した二つのビーカーを使い実験を行います。
瀬戸山:このビーカーの片方にだけタカヂアスターゼを入れます。
瀬戸山:この試験液を人の体温に近い40度で10分間加熱すると…
〜10分後〜
瀬戸山:タカヂアスターゼを加えた方のみ色が消えています。つまりデンプンが分解されているということが分かります。
また、粘り気のあるデンプンの中にタカヂアスターゼを入れて混ぜると、粘り気がなくなりサラサラとした液体になることからも、タカヂアスターゼの優れたデンプンの分解力が分かります。
<疑問2>
胃腸が弱く、よく胃腸薬を服用しています。タカヂアスターゼは130年も前に発見された成分らしいですが、なぜ今でもずっと製品に使い続けているのでしょうか?
横溝:それはタカヂアスターゼが非常に有用な成分で、現代でも十分通用するポテンシャルがあるからです。今まで時代に合わせて改良されつつ、胃腸薬に使い続けられてきました。
とはいえ、約130年の間で食や生活のスタイルも変わりますので、タカヂアスターゼはでんぷんの消化力だけでなく、タンパク質の消化力も併せ持つ成分に改良されました。
また、胃腸薬に利用する時には働きを補う成分も配合して、常に時代に合わせた製品を開発しています。
第一三共ヘルスケアから発売している「新タカヂア錠」と「第一三共胃腸薬シリーズ」(第一三共胃腸薬グリーン錠は除く)には「タカヂアスターゼN1」が含まれています。その他にも脂肪を分解するリパーゼが含まれ、油っぽい食べ物の消化を助けます。
さらに「第一三共胃腸薬プラス」には「ラクボン」という乳酸菌も含まれるので、胃と腸の調子を同時に整えます。
ラクボンは胞子を形成する乳酸菌。胞子を形成しない一般の乳酸菌と比べ、熱や胃酸によるダメージを受けにくく、生きたまま腸に届いて効果を発揮することが特長です。
<疑問3>
タカヂアスターゼの発見だけでなく、アドレナリンの抽出にも成功し、素晴らしい功績を残した高峰譲吉。同じく製剤研究に携わる者として二人はどう捉えているのでしょうか。
横溝:高い志を持って新しい価値を作っていく。そういったところに感銘を受けました。
横溝:私は普段、製品の開発を担当しています。まずは市場や競合環境を踏まえて、どういった処方でどういった成分を配合していくかを考える。次に関係者と共に製剤化や承認申請などを行い、最後に包装やデザインを作り、製品として世の中に送り出す。こういった仕事をしています。
瀬戸山:私は医薬品の製剤研究を担当しています。
<疑問4>
就活を控えた院生です。自己実現と社会貢献の両方ができる就職先選びをしたいと思っています。今の会社での働きがいや、ここで働いていて良かったと思う瞬間を教えてください。
横溝:製品の企画段階からお客様の元に届けるまで、一貫して携わることができる点が魅力だと考えています。やはり、自分が企画した製品が実際にお客様の手に届いて、お喜びの声をいただいた時に働きがいを実感します。
瀬戸山:製品開発に自分の手を動かして携わって、モノができていくことを感じられるのが仕事をしていて面白いと思うところです。
味付け(薬の苦み等を香料等でマスキングする製剤的な工夫)があるような薬に携わることが多いので、「薬を飲むことが苦手」「粉薬は味が嫌だ」など、そういった人にも飲んでもらえるようなものづくりができたらと思っています。
第一三共ヘルスケアのコーポレートスローガンは「Fit for You 健やかなライフスタイルをつくるパートナーへ」。
たった一度の人生。1秒だって、あなたにとっては大切な瞬間。
大切な瞬間を、誰もが自分らしく健やかに過ごせますように。
私たちはこれまで培ってきた研究開発力を活かし、未来を切り拓いていきます。
◆
スッキリ解決!胃もたれのギモン
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_dsichoyaku/imotare_qa/
「第一三共胃腸薬シリーズ」の製品ラインアップはこちら
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_dsichoyaku/products/
製品ヒストリー 第一三共胃腸薬
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/company/data/products_history/ds_ichoyaku/
<第一三共ヘルスケア株式会社について>
第一三共ヘルスケアは、第一三共グループ(※)の企業理念にある「多様な医療ニーズに応える医薬品を提供する」という考えのもと、生活者自ら選択し、購入できるOTC医薬品の事業を展開しています。
現在、OTC医薬品にとどまらず、機能性スキンケア・オーラルケア・食品へと事業領域を拡張し、コーポレートスローガン「Fit for You 健やかなライフスタイルをつくるパートナーへ」を掲げ、その実現に向けて取り組んでいます。
こうした事業を通じて、自分自身で健康を守り対処する「セルフケア」を推進し、誰もがより健康で美しくあり続けることのできる社会の実現に貢献します。
※ 第一三共グループは、イノベーティブ医薬品(新薬)・ワクチン・OTC医薬品の事業を展開しています。