
「百薬の湯」とされる諏訪温泉=薩摩川内市入来町
入来の湯は剛ならず柔ならず、湯性温和-。江戸時代の文献でそううたわれた入来温泉郷にある。神経痛や皮膚病をはじめ、飲用すると慢性胃腸病などに効能があるとされ、古来より「百薬の湯」として多くの人に親しまれてきた。
源泉48.5度の塩化物泉。析出成分が堆積し、浴槽や洗い場が黄金色になった浴場は風情たっぷり。肌寒い季節にぴったりの熱めとややぬるめの内湯のほか、心地よい風が吹き抜ける外湯もある。
かつて近くに入来鉱山があったという。温泉成分に金も含まれる。運営する波田野誠さん(74)は「泉質を気に入ってか、『他の温泉にはもう入れない』と、毎日来るお客さんもいる」と話す。
受け付けには、地域の人が育てた野菜や果物が並ぶ。宿泊も可能。