渡邉英徳さんがカラー化した終戦直後の鹿児島市街地の写真。空襲で焦土となった街が広がる(「記憶の解凍」プロジェクト渡邉英徳)
戦時中の白黒写真のカラー化に取り組む東京大大学院の渡邉英徳教授(46)が、米軍による空襲で壊滅的被害を受けた鹿児島市街地の写真を色付けした。76年前の1945(昭和20)年6月17日深夜、鹿児島大空襲で多くの家屋が炎に包まれた。カラーで再現された焦土から戦争のむごさが一層リアルに伝わる。
元になった白黒写真は渡邉教授がウィキペディアで入手。現在の易居町周辺で、終戦直後の45年11月撮影とみられる。80年8月発行の「1億人の昭和史 日本占領 2動き出した占領政策」(毎日新聞社)に掲載された。全国各地の焼け跡を撮った写真特集の1枚で、「桜島がひときわ大きく迫ってくる鹿児島市の惨状(11月1日)」と紹介している。
渡邉教授は2017年から人工知能(AI)技術などを使ってカラー化に着手。鹿児島大空襲に合わせて毎年修正を重ね、自身のツイッターで紹介してきた。今年も17日に公開する予定。