日本記録を更新、東京パラリンピック参加標準記録を突破し喜ぶ坂元智香選手=2020年10月(西岡浩記撮影)
東京パラリンピック第6日の29日、パワーリフティング女子79キロ級の坂元智香(メディケアアライアンスあおぞら病院、鹿児島市出身)は8位入賞(出場8選手)した。
パワーリフティングで日本女子選手として初出場し、79キロ級8位となった坂元は「めっちゃ笑いましたよ。とても楽しかった」と興奮冷めやらぬ様子で話した。
「しっかりと二つの試技を成功させたことは良かった」。1、2回目の試技で72キロ、77キロを次々と成功させた。最終3回目で自身の日本記録(79キロ)を上回る80キロに挑んだ。惜しくも失敗したが、晴れやかな笑顔を見せた。
新型コロナウイルス禍で練習場が閉鎖され、新拠点探しに苦労した。大分県内の勤務先が医療機関のため、移動を伴う合宿に参加できないこともあった。「(競技を始めて)あっという間の4年間だった。腐らず気持ちが折れなかったことがここにつながった」との言葉に達成感がにじんだ。
「パラは異次元で見たこともない世界だった」。他の出場7選手は軒並み100キロを超え、金メダルのナイジェリア選手は141キロのパラ新記録を樹立。世界の壁の高さを痛感する大会にもなった。
「東京が最後ではなくスタート」。15歳の時に脊髄損傷で車いす生活となった39歳の坂元は「2024年パリ、28年ロサンゼルス大会まで狙っていく」と夢を追い続ける。