夜空こがす送り火、幻想的 盆の伝統行事「北山の火振り」 東市来

2023/08/15 22:34
夜空に大きな弧を描くたいまつの炎=15日午後7時50分、日置市東市来町養母
夜空に大きな弧を描くたいまつの炎=15日午後7時50分、日置市東市来町養母
 鹿児島県日置市東市来の北山集落に伝わる盆の送り火行事「北山の火振り」が15日夜、北山慰霊堂前広場であった。夏の夜空をこがしながら大きな弧を描く幻想的な炎の残像を、住民らが見守った。

 北山自治会の保存会メンバーら20人ほどが、長さ7〜8メートルのモウソウ竹約30本の先にたいまつを付け、午後7時ごろから点火。1本を2〜4人がかりで大きく振ってしならせると、たいまつが「ゴー、ゴー」と風を切る音とともに炎が揺れた。

 先祖や無縁仏を供養し、無病息災を祈る行事。200年以上の歴史があるとされる。今年から自治会長と保存会長を務める福田龍朗さん(66)は「事故なくできてよかった」と胸をなで下ろしながら、「人手が減り準備に時間がかかった。今後はもっと大変になる」と行事継承に危機感を募らせた。

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