H3ロケット失敗に「三つの要因」 2号機設計へ反映、調査に区切り JAXA

2023/08/24 11:21
(資料写真)H3ロケット1号機=南種子町の種子島宇宙センター
(資料写真)H3ロケット1号機=南種子町の種子島宇宙センター
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は23日、打ち上げに失敗したH3ロケット1号機について、原因を2段目エンジン内の点火装置の部品損傷など三つの要因に絞り込めたとし、調査に区切りを付ける方針を明らかにした。2号機の早期打ち上げに向け、全てに対策を施し設計に反映させる。

 文部科学省の有識者委員会で報告し、委員から了承された。終了後、岡田匡史プロジェクトマネジャーは「全てがはっきりするまで進まないのは得策ではない。次のステップに進めると考えている」と話した。

 JAXAは(1)点火装置内の絶縁の不備などに伴うショート(2)点火装置内で部品損傷によるショート(3)エンジンなどを制御する電気系統で部品故障によるショート-のいずれかが発生し、過電流が起きたと結論付けた。

 対策として、H2Aと共通する点火装置内のショートについては絶縁処置や検査強化などを実施する。H3のみに設置している電気系統では、過電流を招く恐れのある部品を取り除く。

 JAXAは打ち上げに失敗した3月以降、調査を開始。7月時点で九つあった故障シナリオを七つに絞り込み、三つの事故要因に分類した。今後、対策の妥当性を検証する試験を行う。

 「H3」1号機は3月7日、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げた。1段目と2段目の分離後に、2段目エンジンが着火せず指令破壊された。

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