成年女子800メートル予選で先頭を走る田中希実(兵庫)=白波スタジアム
「今までで一番出たかった国体」。陸上の成年女子800㍍予選に出場して、1位でフィニッシュした田中希実(兵庫)は、報道陣の取材に晴れやかな表情で応えた。
7日に開会した特別国民体育大会「燃ゆる感動 かごしま国体」(鹿児島国体)は13日、鹿児島市の白波スタジアムで陸上競技が始まった。
田中は、高校生だった2017年の鹿児島合宿で「3年後に東京五輪に出場して、その後にある鹿児島国体に出たら会場が盛り上がるだろうな」と考えていたという。
両大会とも本来は20年の開催が予定されていた。新型コロナウイルスの影響で東京五輪は1年、鹿児島国体は3年延期に。その間、トップ選手への成長を遂げた田中は、東京五輪の女子1500メートルで日本勢初入賞を果たした。
「(鹿児島国体は)オリンピックよりも、『出たい』と長く思い続けた大会。こんな風に出場できるとは思わなかった」と感慨深げだった。
鹿児島では桜島が11日以降、断続的に噴火。会場の白波スタジアムは、積もった火山灰が風で舞い上がる中での試合になった。
成年男子100メートル予選に出場した東京五輪代表の山縣亮太(広島)は「コンタクトレンズなので目が痛い。鹿児島の人は大変ですね」と苦笑いした。