出場校トップの選球眼…「作新エースの〝心のスタミナ〟奪うぞ」 粘りとしぶとさで春10年ぶり勝利は、県勢通算100勝目のメモリアル

2024/03/23 06:30
1回戦に勝利しアルプス席へ駆け出す神村ナイン=兵庫県西宮市の甲子園球場
1回戦に勝利しアルプス席へ駆け出す神村ナイン=兵庫県西宮市の甲子園球場
 第96回選抜高校野球大会第5日は22日、兵庫県西宮市の甲子園球場であった。9年ぶり6度目出場の神村学園は、1回戦で作新学院(栃木)と対戦し6-3で勝利した。鹿児島県勢として甲子園大会通算100勝目(夏の全国高校選手権含む)を記録。選抜大会の県勢白星は2016年の鹿児島実業高校以来となる。

 神村は2、3回に、それぞれ長打を絡めて得点。1死満塁の好機をつくった5回、9番川下の2点適時打で4-0とした。その後3失点し、1点リードで迎えた8回に中軸の正林、岩下の活躍で突き放した。

 神村は、大会第8日第2試合(25日午前11時30分開始予定)の2回戦で、大阪桐蔭と8強入りを懸けて戦う。

◇次戦は春夏9度制覇の大阪桐蔭

 「小川君のリズムで投球させないように心のスタミナを奪う」。神村・小田大介監督のプラン通りのゲームだった。打者陣が粘り、大会屈指の右腕の球数を増やす作戦が奏功。作新のエース小川に対し、4回までに71球を投げさせた。

 2-0で迎えた神村は5回、1死満塁と好機を広げる。左打席には9番川下。息を乱した相手の97球目の直球は真ん中に甘く入った。鋭くはじき返すと、打球は遊撃手のグラブに当たり、グラウンドを転々。その間に2人が生還し4点のリードを奪った。

 5回の攻撃には「しぶとさ」が凝縮されていた。1死一塁から7番木下が四球を選び、続く藤田が8球も投げさせ敵失で出塁。体力と心の余裕を奪われた相手エースは「直球も変化球もファウルして粘ってくるのがきつかった」と唇をかんだ。

 4強入りした夏の甲子園と同様に「選球眼」は大きな武器だ。九州大会までの四死球数は1試合当たり6.75個と出場32校で1番多く、三振数は同2個と2番目に少ない。この日も7四死球を奪い、藤田は「ファウルで粘るのが自分の持ち味。チームで四球を狙っていた」と胸を張った。

 同校としては2014年以来の選抜大会の勝利だ。だが選手たちは気を引き締める。川下主将は「チームとして、小川投手を打てたのは自信になったがエラーも出た。詰められるところは詰めていかないと」。初戦の反省を胸に、春夏9度制覇の大阪桐蔭に挑む。

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