■「俳優・迫田孝也（鹿児島市出身）のオモ語り」＝南日本新聞2024年4月14日付

　皆さんに申し上げたいことがあります。実は私、舞台「オデッサ」の地方公演中に３．５キロ太りました。プロとしてあるまじき状態だと猛省しておりますが、今から弁解をさせていただきます。

　まず思い浮かべてみてください。大阪といえば何を食べたくなりますか？　福岡といえば？　仙台といえば？　愛知といえば？　粉もん、豚骨ラーメン、お寿司、牛タン、ひつまぶし、せり鍋などなど。思いつく限りの食と酒を堪能したりましたよ！　美味しかったな、楽しかったな、めっちゃ幸せだったな…。だって美味しそうなものがそこかしこにあるんですもん！　言い訳ですよね。でもやっぱりホテル暮らしだと外食が続いて太りやすくなるじゃないですか。朝は野菜、納豆、ゆで卵とか食べてバランスを取ろうとはしていたんですよ。まあ夜に好きなものをわんさか食べてたんですけど…。これも言い訳ですね。

　あ～あ、もっとちゃんと運動しておけば良かったなあ。劇場に入る前に大阪城を回ったり、伊達政宗像を見に行ったり、各地でなるべく歩こうとはしていたんですけど、それぐらいの運動量じゃ足りなかったですね。復帰した舞台ハリーポッターでは汗だくの体力勝負なので自然に痩せていくと思ってたんですけど、１カ月たっても現状維持。めんどくさがって日頃のトレーニングすら続けていないんだから自業自得ですね。やってしもたなあ…。もはや言い訳どころか甘えですよ、甘え！

　そんな中、舞台の合間に撮影があったのですが、ここでようやく体形に危機感を持てました。衣装がきついんです。提出してあるサイズ表に基づいて衣装は用意されるので、現状を反映していません。いかに体形が変わってしまったかを痛感させられました。どうやら充実した毎日を送るうちに本気の怠け癖がついてしまったようです。「明日から始めるぞ！」そんなフレーズが頭の中にこびりついた状態では何も始まりません。でも私にはこの「オモ語り」がある。この場で正直に話し、自分を追い込めばもう一度気合いが入るんじゃないかと思い、今回書かせていただきました。

　宣言します！　面白い作品を届け続けるためにもう一度健康的な体をつくります。楽しい５０代を迎えられるよう、同世代の方々もぜひご一緒に！