自身の子宮がん経験を語る原千晶さん=鹿児島市中央町の県医師会館
鹿児島市の県医師会館で8日、子宮頸(けい)がんについての公開講座があった。30代で2度の子宮がんを経験したタレントの原千晶さん(50)が登壇。一度目のがんの後、経過観察を辞めてしまった自身の経験を振り返り「がんを甘く見ないでほしい」と語った。
原さんは30歳だった2005年、子宮頸がんと診断された。医師から子宮摘出を勧められたが、温存を選んだ。当時の心境を「とにかく女性として子宮を残したかった。ショックで、『今なら子宮を取るだけで命は助かる』との医師の説明も頭に入ってこなかった」と振り返った。
その後、月に一度の経過観察を2年ほど続けていたが、慢心から病院に行かなくなってしまった。09年12月、子宮の激痛に襲われ、病院で検査をすると進行した頸がんに加え、子宮体がんも見つかった。医師から「子宮を取るだけでは済まない」と告げられ、初めて怖さを実感したという。「私を悪い例にして、悲しい思いをする人が一人でも減ってほしい」と定期検診の大切さを呼びかけた。
鹿児島大学医学部産科婦人科の小林裕明教授の講演もあり、「子宮がんはワクチンで予防できる。国の助成などを活用してほしい」と話した。