会見で謝罪する鹿児島大の有倉巳幸理事(右から2人目)ら=5日、鹿児島市の鹿大郡元キャンパス
鹿児島大は5日、昨年11月に実施した医学部保健学科看護学専攻の入試「学校推薦型選抜I」で出題ミスがあり、不合格者の一部を追加合格にすると発表した。小論文の課題文の注釈に誤りがあった。今年10月下旬に高校教員の指摘で判明した。受験生らに直接謝罪し、入学の意向や賠償などの対応を協議している。
20人の募集に対し69人が受験した。解答に影響があった部分を全員満点としたところ、不合格者に合格ラインに達していた人がいた。追加合格となる人数は、個人が特定される恐れがあるとして公表しなかった。
出題ミスがあったのは英文の小論文で、注釈で「eligible」の和訳を「資格のある」とすべきところ、「結束力」としていた。鹿大内部の複数人で問題作成と点検にあたっていたが、気付けなかった。
同日、鹿児島市の郡元キャンパスで会見を開き、有倉巳幸理事(教育担当)が「受験生や家族、高校関係者に多大な迷惑と心配をかけた」と陳謝。佐野輝学長は「二度と発生しないよう、試験問題の作成・確認体制などを見直し、再発防止に万全を期す」とコメントを出した。