公開された観測ロケット「S520-34号機」=肝付町の内之浦宇宙空間観測所
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は14日午前11時半、観測ロケット「S520-34号機」を鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた。衝撃波を推力に変換するデトネーションエンジンを宇宙空間で分離し、作動実験を実施する。成功すれば液体燃料を使った同エンジンでは世界で初めてとなる。
34号機は全長9.6メートル。同エンジンを分離後、約10秒間作動させる。観測データの一部を記録した機器は再び大気圏に突入させて、回収する予定。
同エンジンは、推力向上やコンパクト化が期待され、海外でも研究が進む。JAXAは2021年に宇宙空間での飛行実証に初成功している。前回の燃料はガスだったが、今回はより多く積める液体を採用した。将来的には大型ロケット「H3」での利用も見込まれているという。