初めてマリンポートかごしまに並んで寄港した2隻のクルーズ船。手前が2号岸壁=2023年3月、鹿児島市
新型コロナウイルスの影響で着工を延期しているマリンポートかごしま(鹿児島市)の新旅客船ターミナルについて、事業主体の米大手船会社ロイヤル・カリビアンが本格的な整備を再開することが25日までに鹿児島県への取材で分かった。予定地のボーリング調査を7~8月に実施し、詳細設計を国内の業者に委託した。着工、完成時期は未定。
県港湾空港課によると、アジアのクルーズ船運航を各社が再開したことが大きな理由。ターミナルは2018年度に県と結んだ協定に基づき、同社が2号岸壁(長さ410メートル)近くに建設する。CIQ(税関、出入国管理、検疫)を備え、建物面積は約5000平方メートルの想定。同時期に計画された国による2号岸壁は22年3月に完成した。
マリンポートでCIQを備えた施設は現在一つ。2号岸壁完成で船の同時入港が可能となったが、乗客は同岸壁からターミナルまで約300メートル歩く必要がある。県の安藤崇港湾対策監は「新ターミナルができれば利便性が上がる。より多くの船が来ることを期待したい」と話した。
ターミナルは当初、18年度着工、22年4月に利用開始の予定だったが、2回延期された。