〈主な質疑=県警不祥事参考人招致〉署での捜査不可能と誤解か/映像を証拠と見なさず/適切な管理周知が真意

2024/12/17 06:03
参考人として発言する鹿児島県警の南茂昭前霧島署長=16日、県議会
参考人として発言する鹿児島県警の南茂昭前霧島署長=16日、県議会
 鹿児島県警の一連の不祥事を巡り幹部3人を参考人招致した16日の県議会総務警察委員会の主な質疑は次の通り。

 鶴薗真佐彦氏(自民) 元枕崎署員による盗撮事件で、野川明輝前本部長から受けた指示の内容は。

 上別府高宏前首席監察官 奈良県警で違法な取り調べを受けたとする職員が国賠訴訟を起こした事案を例示し、直接的証拠のない段階で署員を被疑者と扱うのは不適切ではないかと言われた。犯行を裏付ける証拠が出た時点で本部長指揮を検討するよう指示された。

 鶴薗氏 「捜査は中止」との誤解が生じ、2日間捜査が止まった原因は。

 上別府前首席監察官 私が言葉足らずな点があった。前署長には職員を被疑者として行う強制捜査は署長判断ではできないと伝えた。署で捜査ができないと受け取ったのではないか。

 平良行雄氏(共産) 前本部長への盗撮事件の報告は主管する前生活安全部長ではなく前首席監察官が行った。

 上別府前首席監察官 いち早く口頭で報告する必要があると判断した。前部長が本部長へ報告する意向を示さなかった。

 湯浅慎太郎氏(県民連合) 3月19日に署が作成した容疑者浮上報告書は把握していないのか。

 上別府前首席監察官 文書について署からの報告はなく存在も内容も知らなかった。

 瀬戸口三郎氏(自民) 前生活安全部長が、前本部長が隠蔽(いんぺい)したと主張している。

 上別府前首席監察官 隠蔽指示は一切なかったと明確に言える。前部長が何を根拠にそう主張したのか全く分からない。

 平良氏 霧島署員のストーカー事案で証拠として入手し、既に消去されている防犯カメラ映像について、入手後に署内でどのように扱われたか。

 南茂昭前霧島署長 映像精査の経験がある警部補以下の捜査員が調べ、1人で確認した。映像は証拠品としては取り扱っていない。

 平良氏 証拠品は大事に保管するものではないか。

 南前霧島署長 保存すべきものと認識しているが、情報漏えい防止、プライバシー保護の観点から消すこともある。

 湯浅氏 (捜査書類の廃棄を促すようにも受け取れる)刑事企画課だよりの真意は。

 川崎清元刑事企画課長 必要な捜査書類は確実に検察庁に送致する、その写しがある場合にはこれを適切に保管、管理することの周知だった。

 湯浅氏 発出前に同課の全職員が目を通したか。

 川崎元刑事企画課長 文書を起案した担当者、直系の幹部、最終的に私が決裁した。

 小川美沙子氏(無所属) 内部から疑問や問い合わせは何件あったか。

 川崎元刑事企画課長 職員個人間で話はあったが、同課まで届いていない。件数などは把握していない。

 小川氏 県弁護士会などから抗議声明もある。

 川崎元刑事企画課長 いずれの抗議にも個別の対応はしていない。再発防止に努め、その要請に応える。

 岩重礼氏(自民) 過去の刑事企画課だよりを見直したか。

 川崎元刑事企画課長 保存する過去の内容を検討、点検したが不適切な表現や内容は確認できなかった。

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