初出場2校、万感の都大路 区間3位の快走、肌で感じたしのぎ合い…「いつか全国の先頭争いを」思いは後輩が継ぐ 鹿児島21位、鹿児島工40位

2024/12/23 07:03
第4中継所、鹿児島工の橋口(右)から本門にたすきリレー=京都市
第4中継所、鹿児島工の橋口(右)から本門にたすきリレー=京都市
 全国高校駅伝競走大会は22日、京都市のたけびしスタジアム京都を発着するコースであった。初出場となった鹿児島県勢2校は、女子の鹿児島が1時間11分8秒で21位、男子の鹿児島工が2時間10分18秒で40位だった。

 女子の鹿児島は1区の39位から徐々に順位を上げ、4区神田が区間3位の快走で18位まで順位を上げた。アンカー冨満も粘走し、21位でゴールした。

 男子の鹿工は、序盤で勢いに乗ることができなかった。1区米永が46位でスタート。2区牛原は順位を守り、3区東は1人を抜いた。4区橋口が区間16位の走りで40位まで引き上げた。後続の本門、柳田、桑野も粘り強い走りを見せた。

◇男子・鹿児島工「次代につながるレース」

 初出場の鹿工にとって全国上位の壁は高かった。それでも、全員の粘走で徐々に順位を上げ40位。立迫俊徳監督は「諦めずに前を追い、次の代につながるレースになった」とねぎらった。

 1区で出遅れたが、3、4区で3年生が意地を見せて挽回した。東は一つ順位を上げ、橋口は5人を抜いた。橋口は「追いかける状況でベストな走り。1、2年生の刺激になるレースができた」と胸を張った。

 目標の2時間7分に届かなかったが、初の舞台で下級生たちが得たものは多い。「レース展開や駆け引きが勉強になった」と1区の米永。同学年が他に1人しかいない最長10キロのエース区間で「全力走に近い」という各校のしのぎ合いを肌で感じた。

 5区で「緊張していつもの走りができなかった」という1年の本門も「次は気負わずに走れる。長距離区間を走るために持久力を身につけたい」と先を見据える。橋口は「いつか全国で先頭争いをするチームになると信じている」と託した。

◇女子・鹿児島「3年生がよく引っ張った」

 南九州代表として初出場を果たした鹿児島が都大路に確かな足跡を残した。

 1区で出遅れたものの、2~4区で3年生が地力を発揮して21人抜き。神田主将は「最初で最後の舞台を楽しんで走れた」と誇った。

 最大の見せ場は30位でスタートした4区だった。神田は800メートルを過ぎて下りにさしかかると「スピードに体を預けるイメージ」で一気に加速。前にいた集団を次々と捉えた。12人を抜く区間3位の走りで順位を18位に引き上げた。

 2区の平野悠も六つ順位を上げた。ラスト700メートル付近で「父母の応援が力になった」とスパートして3人抜き。3区上ノ原も三つ順位を上げる好走を見せた。

 創部から6年。選手たちは「いつもテレビで見ていて悔しい思いだった」(神田主将)という全国の舞台で力を出し切った。宇都翔太監督は「3年生がよく引っ張ってくれた。感無量の走り」とたたえた。

◇生徒や卒業生ら「走りに感動」

 男子で初出場の鹿児島工は、全国から卒業生が現地に集まり声援を送り続けた。レース終了後、OBと選手が応援歌を歌って健闘をたたえる一幕もあった。8年前に主将だった東京都の会社員宮之脇瞭さん(26)は「感動した。来年も勝ち続けてまた力強い走りを見せてほしい」と期待した。

 初出場の女子・鹿児島も、OBや学校関係者がスタジアム周辺で観戦した。同窓会長の淵村文一郎さん(66)=鹿児島市平之町=は「力を出し切ったいい走り。全国の卒業生で応援し続ける」と喜んだ。

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