過去最大…インフル急拡大なぜ? 09年猛威振るったA型H1N1再び…専門家「コロナ禍で免疫持つ人が激減」

2025/01/10 06:27
〈資料写真〉インフルエンザウイルスの電子顕微鏡像(国立感染症研究所ホームページより)
〈資料写真〉インフルエンザウイルスの電子顕微鏡像(国立感染症研究所ホームページより)
 鹿児島県は9日、昨年12月23〜29日に89定点医療機関から報告があったインフルエンザ患者数は8580人で、1医療機関当たり96.40人だったと発表した。前週の1.47倍で、現行の統計を開始した1999年以降最多となり、1機関当たりでは全国で大分に次いで多かった。県は26日から県内全域に流行発生警報を発令しており、手洗いや換気といった感染対策の徹底を呼びかける。

 鹿児島県内のインフルエンザ患者は12月中旬から急増した。感染が拡大しているのは、2009年に流行したインフルエンザA型のH1N1。感染症に詳しい鹿児島大学大学院の西順一郎教授は「新型コロナウイルス禍でインフルエンザの流行が抑えられ、この型の免疫を持つ人が激減し、子どもを中心に広がっている」と指摘する。

 乳幼児はインフルエンザ脳症に注意したい。意識障害やけいれんが起き、生命にも関わる。「発症1日目に起きるケースが多い。けいれんがなくても、視線が合わないなど意識レベルがおかしい場合は速やかに受診を」と西教授。小学生も異常行動に注意し、目を離さないことが大切という。

 例年は春先にかけてインフルエンザB型が流行する。西教授は「ピークを越えたように見えるが、新学期が始まり再び流行する可能性がある。新型コロナも新たな変異株で増えつつある。ワクチン接種など引き続き警戒が必要だ」と訴える。

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