馬毛島自衛隊基地整備、選挙重ねるごとに肯定的受け止め広がる…西之表市議選(2月2日投開票)候補者にアンケート 最も取り組みたい課題の最多は1次産業振興

2025/01/29 11:30
 2月2日投開票の西之表市議選(定数14)には17人が立候補した。南日本新聞は米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う馬毛島の自衛隊基地整備に対する考え方を整理するため、告示前にアンケートを実施。構想や計画段階だった2017、21年と比べ、基地整備を肯定的に捉える向きが広がっている。

 基地整備に「賛成」と答えたのは9人、「反対」7人、「どちらでもない」が1人。過去2回と異なり、初めて賛成が上回った。反対のうちの1人は、FCLPに対して否定的な考え。どちらでもないと回答した候補は、基地整備が既に始まっていることから「容認派」と説明した。

 17年(立候補者19人)はFCLP移転の是非を問うアンケートだったため単純比較はできないが、賛成3人、反対15人、どちらともいえない1人。基地整備とFCLP移転の賛否を尋ねた21年(同17人)が賛成6人、反対9人、どちらでもない2人だった。

 地方議員は地域との関わりが深く、行政の目が行き届かない課題に改善の道筋を付ける役割がある。任期中に最も取り組みたい課題として、17人中9人が1次産業の振興を挙げた。特に農業はサツマイモ基腐(もとぐされ)病や飼料・肥料の高騰で大きな打撃を受けており、高齢化による後継者不足もあって危機感が高まっている。

 人口減は全国共通の問題で、同市でも歯止めをかける要素が見当たらない。持続可能な自治体を目指し、子育て環境や福祉の充実に取り組んだり、基地整備に伴う再編交付金の有効活用を求めたりする意見もあった。

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