規制線が張られた事件現場周辺=2日、伊仙町佐弁
鹿児島県伊仙町佐弁の女性保育士が刺殺されてから2カ月半近く。殺人などの疑いで逮捕されたのは県内の男子高校生(18)だった。県警の逮捕発表から一夜明けた2日、近くの住民からは「まさか高校生が」「何があったのか」と驚きや真相究明を求める声が上がった。
亡くなった女性(55)と高校時代に同級生だった同町の50代女性は「容疑者が高校生だったことがショック。周りの大人が防げなかったのだろうか」と肩を落とした。同日夕方、女性の親族宅へ線香を供えに訪ねると、「やっと成仏できる」などと警察への感謝の言葉を述べていたという。
事件が発覚して以降、現場周辺では規制線が張られ、警察官数人が捜査、警戒に当たるなど物々しい雰囲気が続いた。投入された捜査員は延べ2500人。近くの女性は逮捕まで約2カ月半かかったことに触れ、「普段は静かで穏やかな町。なかなか犯人が捕まらず、不安と疑問でいっぱいだった」と言葉少なだった。
女性と面識がある農業の男性(85)は「(容疑が事実であれば)高校生との間に何が起きたのか。複雑な思いだ」と話した。