会見で質問に答えるJAXAの有田誠プロジェクトマネージャ=2日午後9時36分、南種子町の種子島宇宙センター
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2日午後5時半、新型基幹ロケット「H3」5号機を鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げた。カーナビなどの位置情報サービスに利用される内閣府の測位衛星「みちびき6号機」を予定軌道で分離し、4回連続の成功となった。衛星は2週間ほどかけて高度約3万6000キロの静止軌道まで飛行する。
5号機は1〜4号機と同様に1段エンジン2基と補助の固体ロケットブースター2基を使用した。H3は積み荷に応じてブースターやエンジン数を変えられるのが特徴で、2025年度は、費用を抑えられるエンジン3基のみや、重い荷物を運ぶためにブースターを4基使う新形態での打ち上げが予定されている。
2日に同センターで会見したH3の有田誠プロジェクトマネージャは、新形態の打ち上げについて「国際競争力の強化に向けた大きな一歩になる。準備を着実に進めたい」と話した。H3は1号機は失敗したが、2〜5号機はいずれも成功している。
みちびき6号機は、4機体制から7機体制に向けた第1弾。25年度には5、7号機が軌道投入される計画で、7機体制になると現在は外国の衛星も活用している位置情報サービスを自国衛星だけで提供できるようになる。6号機が投入される静止軌道は国際的に獲得競争が激化しており、位置を確保するために5号機より先になった。