鹿児島県は2025年度から、PTAや同窓会が負担してきた県立高校普通教室の空調の光熱費と維持管理費を、県費でまかなう。新年度当初予算案に1億12万円を計上した。近年の猛暑を踏まえ、生徒が健康で快適に教育を受ける環境を確保するため。全国の多くの自治体で公費負担が広がったことも踏まえた。
県教育委員会総務福利課によると、全61校のうち、PTAや同窓会が設置した51校の普通教室の空調設備を県に移管する。県が設置した10校を含め、光熱費や維持管理費は県費負担となるが、音楽室や理科室、実習室などは対象外。このうち、鹿屋市内の3校は、引き続き防衛関連の国の補助金を活用する。
同課の調べによると、九州では鹿児島を除く全県が、23年度までに公費負担としていた。
鹿屋市内の3校を除く58校の平均負担額は生徒1人あたり月811円。設置台数や生徒数などによって300〜2000円と格差があり、保護者らから負担の重さを訴える声が上がっていた。