自衛隊基地の整備が進む馬毛島=1月10日、西之表市の馬毛島上空(本社チャーター機から)
鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備を巡り、2012年度予算から25年度予算案までの契約ベースの累積額が1兆226億円に上ることが10日の衆院予算委員会で明らかになった。
共産党の田村貴昭議員(比例九州)の求めに応じ防衛省が資料を提出した。資料によると、12~21年度は当初予算で調査費など1~6億円を計上。基地本体工事が始まった22年度以降は当初と補正予算を合わせて多額を積み上げ続けている。歳出ベース予算額と支出済み額の累積はそれぞれ8457億円、3327億円。事務費は除いている。
予算委で田村氏は「いまだに基地建設の総額が示されていない。一体いくらになるのか」と追及。中谷元防衛相は「工事着手から約2年しか経過していないため、総事業費を現時点でお答えできない」と述べた。
基地の係留施設について田村氏は「(防空能力の高い)イージス・システム搭載艦の使用も想定しているのか」と質問。中谷氏は「補給艦や輸送艦など大型艦艇も使用できることを想定しているが、イージス艦などについては詳細の決定はしていない」と答えた。