謝罪はするが補償は「困難」で会は紛糾…殺処分し埋めた鶏から液体漏れ異臭、鹿児島県の説明に地元は反発

2025/02/14 11:48
(資料写真)埋却地から漏出した液体で汚染されたため池=2022年12月、出水市
(資料写真)埋却地から漏出した液体で汚染されたため池=2022年12月、出水市
 2022年に出水市の養鶏場で発生した高病原性鳥インフルエンザの殺処分埋却地から、ため池に液体が漏出した問題で、鹿児島県は13日、住民代表向けの説明会を開いた。これまでの対応で原状回復が図られたとして補償しない考えを改めて示し、会は紛糾した。

 昨年10月に地元自治会が提出した知事の直接謝罪や汚水・汚泥の除去、悪臭被害などへの補償を求める7項目に回答した。県は謝罪した上で、土壌や水質、臭気の検査結果を説明。異常は確認されず、農業用水としての問題はないとして、補償は困難とした。

 住民からは汚泥除去や井戸水の水質検査、補償への対応について厳しい意見が飛んだ。下餅井自治会の山口敬次会長は「養鶏農家は多額の補償があるのに被害を受けた住民には救済措置が一切ない。県は対応を検討してほしい」と訴えた。

 漏出問題を巡っては、埋却物を移設し、ため池の水抜きや微生物資材散布などを実施。県議会産業経済委員会は昨年10月、一定の改善を認め、ため池の復旧整備を求める陳情を不採択とした。

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