〈詳報〉互いの言い分に食い違いも…不同意性交で書類送検されたキャリア官僚 処分の必要性は「調査中」 鹿児島県警

2025/02/14 23:53
 鹿児島県警は14日、知人女性に性的暴行を加えたとして、不同意性交の疑いで県警本部捜査2課長の安部裕行警視(28)を鹿児島地検に書類送検した。認否は明らかにしていない。県警は同日付で、警務部付に異動させる事実上の更迭人事を発表した。処分の必要性は調査中とし、本人は同日時点で退職していない。

 安部警視は警察庁に2018年入庁のキャリア官僚で、23年8月から県警に出向、2課長に就いた。捜査情報漏えいなど県警の一連の不祥事では、捜査を指揮したり、県議会で公式見解を答弁したりする幹部職員の一人だった。

 県警によると、同庁のセクシュアル・ハラスメント相談窓口に25年1月12日、「安部警視から24年11月に不同意性交の被害を受けた」という趣旨のメールが届いた。同庁職員が2日後に文面を確認して以降、県警が捜査を始めた。事件は鹿児島県内で発生し、女性にけがはなかった。双方の言い分に食い違う部分があるため「地検と慎重に捜査を進める」としている。

 異動理由について県警は「幹部が性犯罪容疑事件の捜査対象となり、書類送検されること自体が県民の信頼を損なうものだ」などとした上で「2課長の任務を続けることは適当でないと判断した。警察庁と協議して決めた」と回答した。

 県警不祥事を巡っては20年以降、不同意わいせつや盗撮など性犯罪関連で計5人が逮捕されている。24年は情報漏えいなど現職警察官や元幹部の逮捕も相次ぎ、県警は同年8月に再発防止対策を公表。「職責の自覚と高い職務倫理の養成」などを掲げて不祥事根絶を進めていた。

 岩瀬聡本部長は南日本新聞の取材に対し「再発防止対策を進める中、幹部職員が刑事事件の捜査対象となり、県民に迷惑をかけて申し訳ない。今後は捜査結果を踏まえて適切に対応する」と話した。

 捜査2課長は、刑事部参事官の津曲博之警視(59)が兼務する。

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