アマモの苗付け準備に挑戦する子どもたち=志布志市の志布志漁業協同組合
鹿児島県志布志市生物多様性センターと同市の団体「志布志湾再生プロジェクトX」は11日、「海のゆりかご」といわれるアマモ場を志布志湾につくる市民参加型のイベントを初めて開いた。33人がアマモ苗付けの準備に挑戦し、豊かな海を守り育てる大切さを学んだ。
団体はアマモ移植や磯焼け対策に取り組むため、2023年に有志で結成。今回のイベント「海の環境学習会とアマモの苗付け」は、センターと共催で実施した。国土交通省志布志港湾事務所と志布志漁業協同組合が協力した。
志布志港湾事務所で座学があり、代表で市議の稲付洋平さん(46)が二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスを吸収するアマモの特徴や役割を説明。志布志漁協に移動後、夏井漁港周辺で事前に採取された自生アマモを麻ひもで割り箸に固定し、苗300本を作った。
生き物観察会もあり、小学生らは水槽のヤドカリやナマコに興味津々。尾野見小学校1年、中村好花(このか)さんは「イセエビを触ったら水が跳んで楽しかった。アマモが大きくなり、きれいな海になってほしい」。
イベント後、ダイバーが水深1~2メートルの2カ所に苗付けした。海水温が変わる5月ごろに根が張っているか確認する。稲付さんは「志布志湾に多くの生き物がいることや、豊かな海を未来まで残そうと伝えたかった。砂地がきれいでスムーズに植え付けられたので、うまく根付いてくれれば」と話した。