自宅のトレーニングルームでサンドバッグに向かう四元志桜里さん=霧島市福山町福山
鹿児島県霧島市福山出身の女子高生プロボクサーが誕生した。日章学園高校(宮崎市)2年の四元志桜里さん。高校生のプロボクサーは全国でも珍しいという。5月に神戸でデビュー戦を控え、「2年以内に世界チャンピオンになり、(日本人は1人しか達成していない)5階級制覇を目指す」と意気込んでいる。
6歳のとき、友人の空手着姿を見かけたのが格闘技との出会い。牧之原小学校時代に空手の全国大会を複数回制覇し、闘う楽しさに目覚めた。いつの間にか「ボクシングのチャンピオン」が将来の夢になった。母・樹里さん(40)は「空手と違い流派のないボクシングにひかれたようだ」と振り返る。
両親ともに格闘技に縁がないものの、ガレージを道場にリフォームし、家にトレーニングルームを造りサポートした。志桜里さんは牧之原中2年で親元を離れ、ボクシングの名門日章学園に転校。直後に全日本大会で優勝した。
高校でもインターハイ優勝、ジュニアオリンピックカップ最優秀選手賞受賞と活躍。日本ボクシング連盟の会長にアマチュアでオリンピックを目指す道を勧められたが、「ヘッドギアなしで打ち合える方がいい」とプロ転向を急いだ。
高校に通いながらプロで闘う前例は少なく、当初は中退するつもりだったという。学校に相談し、両立へ協力してもらえることになった。ボクシング部の指導の下アマチュアで戦績を積み、1月、プロテストB級に挑戦。一発で合格した。
神戸のボクシングジムに所属し、厳しい世界に一歩踏み出した。「年内に2回は闘い、来年は日本代表になる。早くチャンピオンベルトを持って霧島市に凱旋(がいせん)したい」と楽しみで仕方がない様子。5階級制覇を達成後は、古里でボクシングジムを開くのが将来の計画だ。