各企業のブースで担当者の説明に耳を傾ける学生=1日、鹿児島市の城山ホテル鹿児島
2026年春卒業の大学生・大学院生向けの企業説明会が1日解禁され、就職活動が本格的に始まった。人手不足を背景に学生優位の「売り手市場」が続き、企業はPRに奔走する。就活の早期化も年々加速し、早めに人材を囲い込みたい企業同士のけん制が続く。
就職情報会社マイナビは同日、鹿児島県内を中心に約70社集めた説明会を鹿児島市で開き、250人以上の学生が訪れた。金融業界志望の鹿児島国際大学3年の男子学生は「去年から交流サイト(SNS)などで情報を集め、インターンにも参加した。時間効率を大事にしている」と話した。
企業側も学生へのPRに工夫を凝らす。オーリック不動産(同市)は昨秋、初めてインターンを実施。実際の職場ではなくオンライン上で開くなど、学生側の効率重視に応えている。
政府は学業に影響が出ないよう、企業説明会は3月から、面接などの選考は6月からと時期を定める。しかし、他社に先駆けて学生を確保しようと前倒しするのが一般的で、ルールの形骸化が進んでいる。
同社の人事担当者は「年々各社の選考が早まっている。優秀な人材を取れるよう工夫するしかない」と強調。他社の選考状況を見ながら、内定を出した学生もいると明かした。
マイナビ鹿児島営業2課の永島佳奈課長は「就活生は周りの状況に左右されず、広い視野でいろいろな企業を見てほしい」と呼びかけた。