山形屋商事、26年2月末で卸売り事業から撤退 27年2月までに山形屋へ吸収合併 従業員89人、グループ内で配置転換の方針

2025/03/06 07:00
経営再建の一環で、吸収合併される山形屋商事=4日、鹿児島市卸本町
経営再建の一環で、吸収合併される山形屋商事=4日、鹿児島市卸本町
 経営再建を目指す山形屋(鹿児島市)の関連会社で卸売業の山形屋商事(同市卸本町)が、2026年2月末で主力の卸売り事業から撤退することが5日までに分かった。山形屋の事業再生計画の一環で、同商事は27年2月までに山形屋へ吸収合併される。同商事の他4事業はグループ企業へ移管する。

 事業移管と土地の売却により、グループの経営資源の有効活用と業務効率化、財務健全性の向上を図る。山形屋は「メーカー直販など流通経路の短縮化が進んでいることを踏まえ、小売業に集中する判断をした」としている。アルバイトを含む従業員89人は、グループ内で配置転換する方針。

 山形屋商事は1947年、山形屋卸部として山形屋から独立し60年に現在の社名に変更した。グループ内含め、県内外約250社に衣料品や食品などを卸す。山形屋グループ内では山形屋、山形屋ストア、宮崎山形屋に次ぐ規模を誇り、2024年2月期の売上高は29億6806万円、当期純利益は5665万9000円で4年ぶりの黒字だった。

 山形屋によると、本社のある土地7567平方メートルは売却予定。26年3月以降に一般入札を想定する。詳細な時期や金額は未定。築52年の本社社屋(3階建て、延べ床面積8898平方メートル)の取り扱いも未定。

 山形屋商事の松元浩三社長(64)は「事業再生計画に伴い、営業を終了する。グループ内へ移管する事業もあるため、引き続き変わらぬご愛顧をいただけるとありがたい」とのコメントを出した。

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